本章ノ壱『昔醒の兆し』編 一節「竹取合戦」

遥か昔――“文明破壊・救済を自作自演して英雄になったクソ野郎ども”がいた。
彼らは《CLUBエデン》なんて組織を作り、裏から歴史をこねくり回してきた。

それから数千年… 宇宙は見た目こそ平和だが、裏では相変わらず誰かが何かを企んでいた。

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 本章ノ壱 昔醒の兆し 編
      一節 竹取合戦

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(仮;カゼン達


白銀歴1204年11月1日(土) 23:00
惑星テラ=プレアデス テラ連合圏 島国ヒモノト 静岡県
不死山(ふじさん)の麓

((夕星重機製作所 会社概要の説明:検討中))

鋼鉄の扉が軋み、薄暗い司令室に灯りがともる。
壁一面のモニターには、宇宙航路、軍事衛星、各国のニュースが並び、
中央の巨大スクリーンには――謎の宇宙船がヒノモトに接近する映像。


((可染一味の説明:検討中))

可染「あと1週間…よりにもよって、あのルナルナ王が……オレ様の領土に来るだと?」

鬼乃子(心の声:あなたの領土ではございません。固定資産税も払ってません)


石笠「か、閣下…そ、想定外の事態です……ルナルナの特使だけが……すでにヒノモト入りを……」
(PC画面には、宇宙船から這い出る竹娘)


可染「はぁぁ!? なんで勝手に来てんだよ! 許可は!? 手土産は!? 行き先はどこだ!」


石笠「京都府……料理店《なよ竹》です……」

可染「み、深雪ちゃんの店!? やばい! 絶対アレを奪いに来たんだ! 
……アレって何だっけ。丸くて光ってて……いや違うか? まあいい! 
とにかく明日《なよ竹》に向かう! 腹も減ったし、深雪ちゃんにも久しぶりに会いたい!」


鬼乃子(心の声:深雪さんは……とっくにお亡くなりになっています。
あなたが“久しぶり”と言ってる間に三回忌も終わりました。
そして今は、彼女の養子の少年が店を継いでいます。
何度説明しても忘れるんですから……もう脳が限界なんでしょうね。
……でも《なよ竹》の筍ご飯は絶品なので、行くなら私もついて行きます)

(仮;ボーイミーツガール


その少し前…

白銀歴1204年11月1日(土) 22:16
惑星テラ=プレアデス テラ連合圏 島国ヒモノト 京都府
料理店《なよ竹》横の竹林 上空1㎞ 

竹娘は操縦桿を握りしめながら、深くため息をついた。

「……運転してみて気づいたけど、オーバーホールの時に減速機能不全を潰し忘れたみたい。参ったな。  垂直落下で大破しないことに賭けよう」

ほぼ墜落に近い角度と速度で地面に突っ込み、宇宙船は盛大に煙を上げた。

ハッチをこじ開け、竹娘はよろよろと這い出る。

竹娘「……し、死ぬかと思った……」

目の前には、尻もちをついたまま固まって赤面している少年がいた。
手には鎌、足元には筍の入った袋。
そして――その背後には、東洋の龍?が佇んでいる。

少年「……し、死んだかと思った……」

少年は慌てて立ち上がり、頭を下げた。
「ぼ、僕、小粒種男と申します……! あの、怪我はありませんか?」

竹娘(心の声:なんて礼儀正しい子なの……龍を従えてる? この子、ただ者じゃない……
 ……そしてこの子、め、め、めっちゃかわいいーーー)


「うん、大丈夫。こちらこそ殺しかけてごめんなさい。
 私は、月京竹娘。よろしくね、種男くん」


種男(心の声:なんて誠実な人なんだ……この墜落でケロッとしてる? この人、ただ者じゃない……
 ……そしてこの人……す、す、すごくキレイーーー)

竹娘「あの……その龍、乗ってもいい?」

種男「えっ……あ、はい。あの……優しくしてください」


竹娘は龍にそっと触れ、背にまたがってみる。


竹娘「生物じゃない!?……やっぱり、触れても正体が分からない。何者なんだろう、この子」

(傍から見れば、宇宙船から出てきた少女が少年の龍に乗って首をかしげている、奇妙な光景だった)


そのとき、竹娘のお腹がぐぅ、と鳴った。

竹娘「あっ///」


少年「あの……お怪我もされてるみたいですし……よかったら簡単な手当てと、ご飯、食べていきませんか?
 この料理店、僕がやってるんです。
 へ、変なこと……しませんから」

竹娘(心の声:えっ……い、今どきこんな親切な子いるの?……こんな可愛い男の子いるの?
 宇宙海賊の野郎どもみたいに“身体で払え”とか言ってこないタイプ……と、私の第6感が言っている。
 ……よし、利……甘えちゃお い、いずれ使い捨てられちゃいそうだし、ほっとけない、、、かも。)
「よろしくお願い申し上げます!」竹娘は大げさに敬礼した。

(仮;閉店後のなよ竹


閉店後の《なよ竹》には、出汁の香りと静かな夜気が漂っていた。

竹娘は、種男に手当てを受けた後、出された料理を次々と平らげていく。
空腹だったとはいえ、その食べっぷりは見事だった。

「……ふぅ。生き返った……。ありがとう。キミは世界一の料理人だね」

種男は照れ笑いしながら皿を下げ、店内のテレビに目を向けた。

画面には、ルナルナ王族のヒノモト来訪を伝えるニュースが流れている。

「……あの、たけのこさん……でしたよね」

ニュース映像の王族の衣装と、竹娘の羽織の雰囲気が似ているのに気づき、種男はおそるおそる口を開いた。

「ヒノモトには……何しに来たんですか?」


竹娘は箸を置き、にこっと笑った。「タメで良いよ、種ピー」


「た、種ピー……?」


「うん。でね、種ピー。かぐや姫って知ってる?」


「う、うん。御伽話で、平安京に現れた悪魔を倒してヒノモトを守った……ルナルナの武家、月京家の戦士だよね」

「それ、実話を歪めた話なんだよ」

竹娘は、羽織の裏に刻まれた紋章を見せた。寝待太刀にも同じ紋が刻まれている。

「ヒノモトを守ったってのが真っ赤な嘘。ホントは滅ぼす側に加担してた悪党なんだよ。
で、私はその血筋と意思を継ぐ者、ってわけ」


ちょうどそのとき、テレビに映ったテロップが目に入った。

《一週間後、ルナルナ王ヒノモト来訪》
《月京家の特使、かぐや姫ゆかりの地へ》

画面には、竹娘の羽織と同じ紋章が映し出されていた。


「えっ……」種男の顔が固まる。

竹娘はわざとらしく口角を上げた。「来週が楽しみだね、種ピー」


種男は神妙に、少し悲しそうな顔で黙り込む。


竹娘(心の声:冗談だよ。お人好しすぎるから、ちょっとからかいたくなる……そんな顔しないで)


気まずさを誤魔化すように、竹娘は続けた。

「で、そのついでと言ってはなんだけど……今日、泊めてくれないかな?
ヘンなこと、しないからさっ!」


狼狽える種男を見て、竹娘はさらに畳みかける。

「よぅよぅ、今から宿探すのは無理だろぅ?
 種ピーはか弱い女の子をひとり夜の都に放り出したり、し、しないよなっ!?」


「は、はいい……。この建物の二階、僕の住居なんです……」
胸の高鳴り、緊張、恥ずかしさが混じった声で、種男は遠回しに了承した。


🌙 ◆ 翌朝:種男の回想

翌日。
開店準備をしながら、種男は昨晩の出来事を思い返していた。

「ほぼ一睡もできなかった……」

「僕の服を着て、惜しげもなく腹と脚を露出させてる竹娘さん」
「謎の機材を僕の部屋で広げて何かやってる竹娘さん」
「唐突に ”しりとり” しよう って言ってきた竹娘さん」
「僕の布団に後から平気で入ってきた竹娘さん」
「僕を抱き枕にして寝始める竹娘さーーー……」

顔を覆って悶絶していると、店の扉が勢いよく開いた。


🌙 ◆ マロ&桜司の来店


「おらぁ、女男! 唐揚げ定食特盛とチキン南蛮単品と煮卵六個、持ってこい!!」

五十守麻呂――ラッパーのような衣装を着た少年が仁王立ちしていた。

後ろには、改造学生服を着た倉持桜司が控えている。

「マロ、落ち着けって。やめろよ、お前の誤解だったんだから」
桜司は種男に“すまん”とジェスチャーを送る。
「俺は焼きサバ定食。ご飯大盛り、豚汁変更で」


竹娘に気づいたマロが、急に挙動不審になった。

「うはっ! 美! 美! そ、そ、そいつ……ちゃんと“女”なのかよ……?」


竹娘は首をかしげた。「処女です」

店内の空気が一瞬止まった。

竹娘(心の声:ん? 経験人数の話じゃなかったの……?)


結果としてボケ役になった竹娘はスルーされ、
マロは爆速で料理を平らげ、レジにぴったりの金額を叩きつける。

「釣りは要らねえ!」


「うう……お釣り、ございません……」種男は半泣きで見送った。


竹娘は小声でつぶやく。

「……あの人たち怖。お友達……じゃないよね?」


「いつの間にか嫌われてて……」
種男は肩を落とした。


🌙 ◆ 可染一味の乱入(校正済み)

そのとき、店の扉が再び乱暴に開いた。

「つ、月京の末裔いいいい!!
 クソガキいいい!!
 このクソカップルめええ!!
 深雪ちゃんの店を……奪いやがったな!!」


夕星可染が、怒号とともに突入してきた。


竹娘(心の声:また変なのが来た(笑))


「えっ!? 夕星さん、ち、違っ……!」
まただ。何度も説明したのに――
種男は慌てて手を振る。


竹娘はぽつりと言った。

「カップル……この国でも“つがい”の意味ですか?
彼は分かりませんが、私は未経験です」

……誰も反応しなかった。

鬼乃子は額に手を当て呆れ果てる。

(心の声:だから深雪さんは亡くなってて、この少年が今のオーナーだと何度も……。
 でも隣のルナルナ特使は……本当に何しに来たんでしょうね)

結局、可染はブツブツ文句を言いながらも、しっかり飯を食って帰っていった。


可染「次に来るまで、レシピは残して自首しとけ!」
石笠「あなたの料理は良質な化学変化の極みです……!」
鬼乃子「小粒さん、いつもゴメンなさいね。また食べたいので出禁はご勘弁を」


竹娘はぽつりとつぶやく。

「種ピーの知り合い、面白い人達ばかりだね。」


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